2015年03月10日

RFパワーアンプが壊れる

周波数にかかわらず、RFパワーアンプが壊れる時があります。
私も何度も経験がありますが、その多くは使用上の不注意が原因でした。

RFパワーアンプ(特にGHz波帯)はリニア動作の製品が殆どです。
マイクロ波アマチュア無線ではFMで交信することが多いので、どうしてもC級動作領域、飽和領域で使うことが多いようです。

そのような場合、ちょっとした不整合があると、その出力パワーがRFパワーアンプに反射で戻ってきて、簡単にデバイスが劣化、破損することがあります。

出力の切り替えに同軸リレーを使っている場合は、リレーの切り替わりのタイミングが、RFパワーアンプの出力タイミングに合わない場合、一瞬のオープン、ショート状態になり、RFパワーアンプが全反射で壊れることがあります。
もちろん、アンテナ等を接続しない、または不整合状態でRFを出力すると、デバイスが壊れたり、劣化したりします。
特に飽和領域でRFパワーアンプを使っている場合は、一瞬の不整合でも瞬時に壊れます。
またRFパワーアンプの放熱が充分でない場合は、更に壊れやすくなりますし、高温状態で使用しているとデバイスが劣化します。

業務用のRFパワーアンプ等は反射に耐えうる設計や十分すぎる余裕、またアイソレーター等の装備で、保護回路が確り出来ていますが、アマチュア用ではこの様なパーツは非常に高価で入手困難なこともあり、殆どの場合、装備されていません。

もし、RFパワーアンプを壊したくないのであれば、最大出力の50%程度で使用するか、アイソレーター等の保護回路装置の取り付けをしなければ、十分な注意をしていないとアンプを壊してしまいます。

また、同軸リレーを使用するときは、その切り替えタイミングを十分考慮してください。
マイクロ波用の同軸リレーは、切り替えに数十ミリ秒〜数百ミリ秒かかります。
その為に多くの場合、RF出力の到達後に同軸リレーが動作するので、RFパワーアンプに過負荷を与えることになります。
使用するシステムにシーケンス動作(遅延動作)させて、必ず同軸リレーが切り替わった後にRF出力が出るように工夫するとよいでしょう。

また、同軸リレーのチャタリング防止の為に、FMであっても動作時間に少し遅延を設けると良いと思います。
パワーアンプ、プリアンプ共に故障の原因に同軸リレーの動作不良やチャタリングも多くあります。
キャリアコントロールを使用している場合は、特に注意が必要です。

マイクロ波用のRFパワーアンプは1W程度の出力であっても、HF帯の500Wリニアアンプと同様な注意が必要になります。
また、コネクター、同軸ケーブル、アンテナの整合が充分でないと、RFパワーアンプに負荷がかかり故障の原因となります。
RFパワーアンプは高価ですので、壊さないように細心の注意をして使用しましょう。 

posted by 7L1WQG at 11:00| Comment(0) | パワーアンプ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。