マキ電機製の10GHz帯LNA修理依頼があり、修理しました。
症状は動作しない様です。
(中古で購入した・・との事です)
蓋を開けて中を見ると、改造?修理した様です。

修理前の10GHz帯LNA
SGから-40dBm入力してみると、出力も同じで、ゲインは0dBでした。

電源部が怪しい
デバイスはFHX35LGとNE3515S02の2段構成です。
回路全体が汚く、電源周りも怪しいので、基板を外して電源周りの部品を交換することにしました。

78N05周り 怪しい ケミコンが浮いている
やはり部品を外してみると、パターンが一部剥離していました。
電源のレギュレーターは78N05でしたが、ここは電流を必要としないので
78L05Fに交換、コンデンサーは全てOSコンに交換しました。

修理した電源部 一部パターンが剥離していたので修正
これで電源は問題なくなりました。
VRはやはりガタガタなので、交換
チップ抵抗やチップコンデンサーも交換
SMAJコネクターも傷んでいたので交換

電源周りを修理した基板
これで、電源関係は正常に動作するようになりました。
再度、ゲインを調べてみると約10dB程度でした。
ドレイン、ゲート電圧を測ると、初段のFHX35LGのゲート電圧が-0.05Vでした。
つまり壊れているので、NE3512S01に交換

これで修理終了
SMAJコネクターは安く修理するために業務用の外し品、性能は良い
再度調整をしてゲインは約30dBになりました。
ここまで、修理時間は約2時間でした。
蓋を閉めると、ゲインが大幅に減少
ICマットと銅箔テープで処理して、ゲインは30dBを確保
最大出力も10dBm出るようになり、ゲイン特性も良好
周波数特性も問題なく、発振もないのでこれで終了です。