2012年03月10日

1200MHzリニアの改造


某メーカーの1200MHzリニアを修理して欲しいと、リニアが送られてきました。

症状は、定格表記が120Wと記載が有るのに、75Wしか出ないとの事です。

早速調べてみたところ、言われているように75W程度しかパワーが出ていませんでした。

prco12120-2.jpg
(バードのエレメントは500Wを使用しています)

もちろん、古い機種ですので、各部が劣化してパワーダウンしていると思います。

内部構成は「M57762」パワーモジュールをウイルキンソン合成で2パラにして
更に3合成したものでした。

prco12120-1.jpg

M57762は最大20Wの出力が得られるので、6合成で120Wとなるのでしょう。
但し、合成損失が有るので、良くても110W出れば上々と思います。

ちょっと気になったのは、外部電源線の細さです。
このパワーですと13.8Vで30A以上流れるので、かなり太い線でなければ、電圧
ドロップ(低下)が発生します。

外部電源線の赤黒線は見た限りでは、3.5SQもない感じでした。

電源電圧を13.8Vで10Wの入力をかけてみると、内部のリレーに入る前の段階で
すでに12V程度まで電圧降下していました。

リレーを通過した後、パワーモジュールの電源電圧は10V以下まで降下していました。

これでは、パワーが出るはずありません。(デバイスは長持ちしそう)

しかし、本体のパワーメーター表示は150Wになっていました。


内部の調整トリマーと更にちょっとした調整で85Wまでパワーが出るようになりました。

この時点で、電源線がかなり熱を持っていました。電圧がロスした分が熱になっています。

更にパワーを出すには、電源配線関係を直さなければならないので、大幅な改造しなければ
なりません。

持ち主の方が配線を改造しても良いといわれるので、次回は、配線の改造と調整をしてみたいと思います。


posted by 7L1WQG at 16:05| Comment(0) | パワーアンプ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。