2012年05月24日

自作したスルー回路付き広帯域アンプの不具合の相談


先日、広帯域アンプ基板でプリアンプを製作したところ、上手く動作しないと相談がありました。

お話の内容からすると、高周波MMIC「GALI−39」を使用した2段アンプで、同軸リレーを入力、出力側に設置して、電源がOFFの時にはスルーにする回路でした。

lpa-g5w2-80.jpg

使用したい周波数は1.2GHz〜2.4GHz帯ということです。
同軸リレーにはオムロンの「G6Y−1」型の高周波同軸リレーを2個使用しているとの事でした。
コネクターにはSMA型を使用しているそうです

このお話を聞いて、動作しない原因がすぐに解りました。

一見すると、回路的には何ら問題が無いように思えます。


入力 -- 同軸リレー -- アンプ -- 同軸リレー -- 出力
           -- スルー --


しかし、部品選定が悪かったのです。皆さんはお解りでしょうか?

まず、GALI−39アンプのゲイン特性ですが

300MHz  18.6dB
430MHz  31.6dB
800MHz  36.3dB
1295MHz 36.7dB
2427MHz 34.4dB
5760MHz 27.4dB
8.00GHz 21.8dB
10.0GHz 10.6dB

G6Y−1のアイソレーション特性は

250MHz  80dB以上
900MHz  65dB以上
2.5GHz  30dB以上

です。
このアイソレーション値は理想的な状態のときで、実装方法で大きく変わります。
また、3GHz以上では使用することは難しいでしょう。

しかし、広帯域アンプは10GHz近くまで良好にアンプしてしまうので、
どんなに慎重に製作しても、3GHz以上でのアイソレーションが不足してしまい
アンプが発振してしまいます。(不安定状態)
スルー回路に使用した同軸ケーブルは1.5D−2Vでしたので、さらに良くなかった
のでしょう。

実際にスペアアナで測定してみると、不安定な発振状態でした。

この様な広帯域アンプ基板を使用するときは、

・3GHz以上でゲインが無いようにする。(G6Y−1を使用する場合)
 出力側にLPF等を挿入すると良いでしょう。

・スルー回路にはアイソレーションの良好なケーブルを使用する。
(RG316等のテフロン同軸)

・10GHz帯まで対応した同軸リレーを使用する。
(トランスコ、ナルダ、アジレントHP、ヒロセ等のコアキシャルリレー)

HCS2-110F-340-1.jpg
写真はヒロセの同軸リレー

この様な対策をしなければ、広帯域アンプの安定動作は望めません。
部品の選定は性能を考慮した上で、慎重に行ってください。

以上、参考にしていただければ幸いです。
posted by 7L1WQG at 12:40| Comment(0) | プリアンプ・LNA
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。