2012年10月12日

よくある質問 アンテナとプリアンプと受信機


よくある質問で、「プリアンプを付けたら受信は良くなるのか?」について、お話します。

無線に詳しい方には簡単な事ですが、無線が趣味でない方には良く解らない話です。

電波が目に見えれば簡単なのでしょうが、これは無理なので別な現象に置き換えると
理解しやすいと思います。

よく私が説明するのが、電波を雨に置き換えて考えます

簡易的ではありますが、理解しやすいので初心者にはこの様に説明しています。


実際の受信とは

電波をアンテナで受信して、同軸ケーブルを通して受信機で音声または映像を再生する。
のですが、

これを

電波 → 雨
アンテナ → ジョウゴ(漏斗)
同軸ケーブル → ホース
受信機 → 水車


と置き換えて考えます。

雨(電波)をジョウゴ(アンテナ)で受けて、ホース(同軸ケーブル)を通して
水車(受信機)を回す(再生する)。

です。



suisha.gif



つまり、性能、機能はこの様に置き換えて考えます。

雨の強さは → 電波の強さ
ジョウゴの大きさは → アンテナの利得(大きさ)
ホースの太さは → 同軸ケーブルの太さ(損失)
水車の回転数は → 受信機の再生度
プリアンプは → ポンプ



まず、雨が降ってる場所でなければ水は集まりません。
建物の影、木の下では雨を多く受けることはできません。
同様に電波も建物の影ではどんなに頑張っても上手く電波を受けられません。
受けやすい場所が一番です。(見通しがよい場所)


どんなによい場所でも、ジョウゴが小さければ、雨は集められません
つまり、どんなによい場所でもアンテナの利得が低ければ電波は集まりません
逆に、大きなジョウゴが有れば、簡単に沢山の雨を集めることができます。


集めた雨はホースで水車に送るのですが、
ホースが細ければ、水車は良く回りません。
つまり、同軸ケーブルが細いと受信機に十分に電波が届きません。
いくら、ジョウゴが大きくて雨を集めてもホースが細ければ、水車は良く回りません。
つまり、いくらアンテナの利得が高くても、同軸ケーブルが細いと受信機に十分に電波が届きません。


ここで、プリアンプですが
ジョウゴで集めた水をポンプを使えば、細いホースでも強く送ることができます。
でも水車の直前では、ちょろちょろの水をポンプで送っても意味無いことが解りますよね。
逆にジョウゴの直下にポンプを設置すれば、強く水を送れますね。

プリアンプも同じで、アンテナ直下で無いとあまり意味がありません。

そして、ジョウゴが小さいと、いくらポンプが強くても、集まる雨が少ないので、
ジョウゴの大きさ以上の雨は集められません。
逆に、ジョウゴが大きければ雨もいっぱい集まり、ポンプも水を強く送ることが
できますね!

つまり、プリアンプの性能がいくら良くても、アンテナの性能以上の受信は得られない
のです。
プリアンプは魔法の装置では有りません、アンテナに入った電波を効率よく受信機に
届けることができる装置です。

いくら性能の良いポンプを使っても、ジョウゴに入っていない水を送ることはできません。
まして、魔法のように水が増えることも有りません。

受信機は水車の性能と置き換えてください。
「良い受信機は、弱い電波でも良好に受信できます。」

「良い水車は少ない水でも効率よく回る」のです。

逆に感度の悪い受信機は強い電波しか受信できません。

つまり
「性能の悪い水車は強い水圧でなければ回わらない」のです。

そこで、無線では、プリアンプで増幅し受信感度を上げるのです。

つまり
「ポンプで強く水を送り水車を回す」のです。

こんな感じで、理解できたでしょうか?
この様に受信の仕組みを身近な物に置き換えると解り易いので、理解しやすくなると思います。
posted by 7L1WQG at 13:22| Comment(0) | プリアンプ・LNA
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