2013年02月28日

フェーズシフター


「フェーズシフター」という名前はあまり馴染みがないかも知れません。
日本語で表記すると「位相器」と言われる製品です。

a5n1101.jpg
アンリツのフェーズシフター(マイクロ波用)

無線の電波も波なので、空中やケーブルの中を電波が進むときに波となって進みます。

その場合、環境や同軸ケーブルの種類によって、また回路によって、電波(波)の
進む時間が違います。

アマチュア無線などでは、マッチングが取れていないアンテナをSWR計で測定すると
当然、悪い値を示すはずです。、しかしSWRとは電波が進む波と、反射して戻ってくる
波の比較値ですから、ケーブルの長さによってはちょうど波を打ち消すことが有ります。
(その場合はSWR計は良い値を示す)

アマチュア無線を長年楽しんでいる方には、感覚的にも電波が波であることが解ると思います。

機器、回路によっては、波(位相)がちょうど良い位置になるように調整したいことが有ります。
その様なときに「フェーズシフター」を使って位相を調整します。

特にマイクロ波では、回路上の位相は長さにすると、とても短く簡単に位相を調整できません。

例えば30MHzでは1/4ラムダの長さは2.5mですが、逆に3GHzの1/4ラムダ
の長さは2.5cmで30GHzの1/4ラムダの長さは2.5mmです。
(波長短縮率は考えていません)

もし10GHz帯で1/10ラムダの位相を調整する場合、同軸ケーブルの長さで調整する
様なことは、殆んど不可能になります。

この様な場合に「フェーズシフター」は非常に便利になります。

マイクロ波用のフェーズシフターは色々な形状の物があり、機械的に位相を調整する製品以外
にも、電気的に位相を調整する機器も有ります。

sage-1.jpg
SAGEの26.5GHzフェーズシフター


アマチュア無線ではあまり使用されませんが、プロ用の機器や測定器などの回路に見かける
事があります。

高周波のジャンクなどを見たときにでも、探してみてください。


posted by 7L1WQG at 21:31| Comment(0) | アマチュア無線
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