2013年07月26日

降圧コンバーターの製作 その1


以前、昇圧コンバーター(スイッチングコンバーター)を製作しましたが、
どうしても、無線機によってはノイズが出るようです。
特にSSBモードで聞こえるようです。(FMは問題なし)

フィルターを入れると軽減しますが、完全にはなくなりません。
これは、グランドが入出力共通な為にグランド(マイナス側)経由でノイズが
混入するようです。

何段かフィルターを入れれば解決しそうですが、、発振周波数が低いので、かなり
大きなコイルを数個挿入しなければなりません。
これでは、昇圧コンバーター本体よりも大きくなってしまいます。

最近はLI-FE LI-POなどの4セル(14.4V)バッテリーが出回るように
なりました。
規格は14.4Vですが、満充電状態ですと16V以上の電圧が出てきます。
そこで、降圧コンバーターを考えて見ました。

仕様は
出力:13.8V(電圧可変)
出力電流:5A
低ノイズ仕様ドロップコンバーターとしました。

また、バッテリーでの使用を考えていますので、電圧低下ワーニングランプも装備しました。
(本当は電源遮断やワーニングブザーの装備も考えたのですが、無線運用中に突然切れたり、音がなってしまうのは良くないと思い、ランプのみとしました。)

低ドロップなので、5Aフルに使用しても、1.2V程度の電圧降下です。
SSBなら、かなり効率よく使用できると思います。


kiban-1.jpg
設計した基板のパターン(修正が必要かも)


最大電流が5Aなので、昔の10W機なら問題なく動作すると思います。


電源に小型の6Vバッテリーを3個直列にして18Vで使用することも出来ると思います。
また、太陽電池で充電しながらなど、色々な利用方法がありそうです。

シリーズレギュレーターなので、ノイズは殆んど発生しないと考えています。

また、出力電圧は可変できますので、無線機以外でも色々な用途に使用できそうです。

回路設計が終わったので、これから試作しようと考えています。
基板サイズは46mm×57mm(ヒューズケースも含む)なので、かなり小さな
ケースに入りそうです。(ヒートシンク、放熱は必要です)


ちなみに秋月で販売している6Vバッテリーは1個700円です。(6V 4AH)
3個買っても2100円です。(密封型鉛蓄電池)

6Vバッテリーの終止電圧は約5Vなので、3個直列では約15Vです。
つまり、満充電から終止電圧まで使い切る事が出来ます。

ちなみに12Vバッテリーでは終止電圧は10V程度です。(LONG等)
無線機によっては、電源電圧が11V以下になると動作が不安定になったりします。
バッテリーを電圧が11Vになるまで使用すると、そのバッテリーの容量を100%
使う事は出来ません。
(詳しくはバッテリーの仕様書をお読みください)
例えば、8AHのバッテリーでも使える容量は場合によっては5AH程度になってしまいます。
つまり無線機では終止電圧まで、100%使い切る事は困難です。

バッテリーの容量は、普通10〜20時間率で表されており、終止電圧まで使用した場合の容量となります。
8AHバッテリーLONG WP8−12の場合、10時間率で8AHの容量ですから、
8AH/10時間=0.8A で、0.8Aで使用したときに8AHの容量です。
また、その時の終止電圧は10.5Vです。

例えば、4Aで使用したとき(0.5C放電)では、容量は約6AHになり、
終止電圧は約10Vです。(仕様書より)
バッテリー電圧が11Vになるまで使用したと想定すると、その容量は約4.5AH相当となってしまいます。
つまり、8AHバッテリーで満充電から11Vまで使用できる時間は、電流4Aでの連続使用時間は1時間ちょっとです。

特にFT817では電圧が12V以下になると、パワーがダウンしてしまいます。
昔のモービル機、ポータブル機は電源電圧13.8Vが標準で、電圧が下がってくると、かなりパワーが下がってしまいます。



逆に6Vバッテリー3個直列+降圧コンバーターでは、バッテリー容量100%まで使用できます。(LI-FE LI-POなども同様)

6Vバッテリーは種類が少ないのですが、WP9−6Aの6V 9AHでは、4Aの消費電流を連続使用で2時間弱13.8Vの電圧で使用できます。(10W無線機を想定)

実際の無線交信は、送信と受信の繰り返しなので、実際に使用できる時間は、FMで1.5〜3倍、SSBでは2〜4倍の時間を使用することが出来ます。(10W無線機を想定)

SSBモードでは約5〜6時間の使用も可能になります。(無線機の消費電力によります)
出力5W程度の無線機では、11時間以上も使用することが可能と思います。

実際の使用可能な時間は、使用環境や無線機の消費電力、バッテリーの種類、状態により大きく変わります。



試作が出来たら、ノイズ、発熱、等々実験してみたいと思います。

では

明日は「ペディションデー」です。

posted by 7L1WQG at 21:32| Comment(3) | 降圧コンバーター
この記事へのコメント
同じようなことを考え、検索している中でここにたどり着きました。

13.8V出力するのに、12Vバッテリー2個直列か、もしくは6Vバッテリー3個直列か。

6V3個のほうが効率もいいし、発熱も少なくなるでしょうし、安価です。
しかしその場合、これら3個のバッテリーの充電をどのようにするかで悩んでいます。
Posted by SAT at 2013年08月22日 11:42
6Vバッテリーの充電ですが、3個並列で6.8V程度に電源を設定して充電するか、3個直列で20V程度で充電できます。24VのACアダプターのDC出力側にブリッジダイオードを挿入すると電圧が下げられるので、この方法も使えるかも知れません。但し突入電流が発生するとACアダプターが壊れるかもしれませんので、1Ω程度のセメント抵抗を直列に挿入しておくと良いと思います。(急速充電となりますので、充電時間の管理が必要です)
Posted by 7L1WQG at 2013年08月22日 12:20
早速のコメントありがとうございます。

使用するときは直列、充電のときは並列という回路というか配線をしないといけない(若しくはその都度繋ぎ直す)のもちょっと・・・・なので、24VのACアダプタで充電できる回路等があれば、それを利用してみたいと思います。
ただ、・・・電圧が高いのでちょっと怖いですね。

ご教示ありがとうございました。
Posted by SAT at 2013年08月22日 13:15
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