2016年04月11日

430MHz帯プリアンプ 再調整


久しぶりに、430MHz帯プリアンプを製作しました。
これも以前製作したものを再調整してみました。

キットで製作しやすいように、DIP部品を多用しています。
性能的にはチップが良いのですが、一般の方が作りやすい
様に考えています。

それでも、最新のデバイスですとそこそこの性能が出ます。

簡単に調整して、NF:0.5 ゲイン16dBの値が
得られました。
この基板は殆ど無調整でも性能が出るように製作しています。
MMIC仕様の単電源動作です。

lna-bpf430c-640-1.jpg
ネットワークアナライザーの画面

lna-bpf430c-640-2.jpg
NFアナライザーの画面

NF値が少し波打っているのは、外来電波の影響です。
この手のUHF帯プリアンプは、シールドケースに入れない
と、性能が出ません。
ケース無しでは全く測定できない状況です。

特に屋内はPCやルーター、LED電球、等の発する電波で
大きな影響を受けます。
最近は、電波環境が悪くなり、プリアンプ等の製作には
注意しないと何を計測しているのか解らなくなります。
困ったものです。
posted by 7L1WQG at 22:21| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2016年02月09日

新型 1200MHz帯プリアンプの製作

新デバイスで1200MHz帯プリアンプを製作しました。

基板はいつものストリップライン基板で、今回デバイスは初段にHEMT「FHC40LG」を使用して、2段目はMMIC「PGA-103」の構成です。

NF測定は昨年新調したAglentのNFアナライザー「N8973A」とノイズソース「N4001A」(校正済み)で行いました。
この測定機の組み合わせは、かなり正確な値が測定できます。

まず、ネットワークアナラアイザーで調整した後、NFアナライザーで微調整を行い、最良点を見つけました。
中心周波数は1294.5MHzとしました。

測定中、レギュレーターの発熱で、プリアンプのケース温度が30度以上になりましたが、NF値は0.55でした。(ケースを触ると暖かく感じるので、結構な温度と思います)
ケースを暫く放置して少し冷やし、20度近くで再測定した所、NFは0.47まで下がりました。

lna1200bpfdx3-500.jpg

ストリップラインの簡易なLNA回路でこの値はかなり良いとお思います。
本当は回路を変えてもう少し追い込みたい所ですが、再現性を重視して、旧回路構成のままです。

今後、このデバイス構成が1200MHz帯プリアンプの標準としたいと思います。
posted by 7L1WQG at 21:49| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2015年10月03日

1200MHz帯プリアンプのNF測定

前回ノイズフィギアの測定について記載しましたが、以前製作した1200MHz帯のプリアンプのNF測定を行いました。

測定機は
ノイズフィギアアナライザ N8973A
ノイズソース N4001A
で測定しています。

1200MHz-NF.jpg

NFは約0.33 ゲインは31dBでした。

基板はいつもの基板で、パターン改造と定数を変えています。
プリアンプの初段デバイスはFHC40LGを使用しています。

もう少し追い込めると思いますが、この辺が限界かもしれません。


posted by 7L1WQG at 22:01| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2015年09月29日

ノイズフィギアについての考察−1

以前からプリアンプの実験をしていますが、どうも測定したNF値に納得がいかないことが多々有ります。

以前は測定に、NFメーター8970Bとノイズソース346シリーズを使っていました。
(現在はN8973AとN4001Aの組み合わせです)
結果的には346シリーズのノイズソースに大きな測定誤差要素を含んでいる事が解りました。

これはメーカーの技術資料を読めばよく解りますが、アマチュア無線等で使用されるプリアンプはNFが重視されています。
但しNF重視でプリアンプを製作すると、入出力のインピーダンスが大幅に悪化します。
これは使用している素子(HEMT等)がNF最良の時に50オームにならないためです。

このような状態のプリアンプをENR15dBも有る346B、346C等のノイズソースを使うと、測定値は大抵ほんとうの値より良い値が示されてしまいます。
たとえは実際はNF0.5dB度でも測定値は0.2dBなんて値が出たことも有ります。

これは、NF計がAgilent N8973A等の現行機でもノイズソースがおこす誤差の影響を大きく受けてしまいます。
最近はメーカー(キーサイト)のHPでこの誤差を計算できるようになりました。
下記サイトを参照
http://rfmw.em.keysight.com/NFUcalc

例えばN8973Aに346Bを使用した場合、おおよそプラスマイナス0.25〜0.3dBの誤差を必ず含んでいます。
(校正した機器で適切に測定した場合。条件が適切で無いともっと多くの誤差が出ます。)

*346Bでもアジレント時代の製品とHP時代の製品がありますが、経験的にはHP時代の黒いノイズソースの方が測定誤差が大きくでるように感じます。

多くのプリアンプ、特にキャビティタイプのプリアンプは、入力のインピーダンスが50オームから大きく離れているので、本当のNF値より測定値がかなり良い値を示してしまいます。
これはゲイン特性とは関係なく発生します。
もちろんノイズソース等は校正されていなければなりません。

また346Bは気温の影響も大きく受けます。更に測定機自体の温度にも大きく影響を受けます。

実際にNF値が非常に良いとされるプリアンプを測定してみると、入力のインピーダンスが大幅に悪化している物が多々ありますし、実際に測定してみるとNF値が思ったより良くない場合が多々あります。

ちなみに346A(ENR5dB)を使用すると、測定誤差はかなり改善されますが、それでも計算上NF0.2dB程度の誤差は残ります。

アマチュアでもNF測定の誤差を最小にするために、ノイズソースとプリアンプの間にアイソレーターを挿入して、プリアンプからの反射を抑えて、見かけ上のSWRを低くして測定されている方もいらっしゃいます。
この方法ですと、見かけのSWRが非常に低いので、測定誤差を減らすことが出来ます。
1.2GHz帯では測定誤差を、346Bでも0.13dB程度まで下げることが可能です。
(N8973Aを使用し、出力側のインピーダンスも良好な場合)
この場合は挿入損失が入るので、正確な補正値を入れる必要が有ります。
その挿入損失の測定誤差は0.1dB以内でないと、その誤差がNF測定値に直接影響します。

特にマイクロ波帯のNF測定にはダウンコンバーターを使うので、インピーダンスの影響を最小にしないと、その結果は真値と大きく異なります。

またノイズソースのENR値の誤差は直接測定誤差につながります。
正しく校正していなければ、測定誤差は更に大きくなります。
(システムのキャリブレーションではENR値の誤差は除去できません)
8970A,B等ではもっと誤差は大きくなります。

先程紹介した、キーサイトの「Noise Figure Uncertainty」でパラメーターを色々と変えてみると、システムの測定誤差がよく解ります。

ノイズソースのことですが、「346B」の代わりに「N4001A」を使用すると、測定誤差は非常に小さくなり、入力インピーダンスを合わせた場合、その誤差は0.09dB程度まで下げることが出来ます。

NF測定を追い求める方は、ノイズソース選びは重要なファクターになります。

*Noise Figure Uncertaintyでの計算上の値を使っていますので、実際の測定誤差はもっと多いかも知れません。
*個人的な意見も多く含んでいますので、参考程度にして頂ければ幸いです。


posted by 7L1WQG at 20:40| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2015年03月10日

144MHz帯プリアンプの製作(BPF仕様、トラップ付)


今回はマイクロ波ではなく、144MHz帯のプリアンプの実験です。
先日、ネットで面白そうな高周波コイルを見つけたので、実験してみました。

シールドされたこのコイルはTOKOのコイルと思われ、規格等は不明なものでした。
購入してLCRメーターで調べてみると、150nH付近のコイルと解り、144MHz帯の
プリアンプに使えないかと思い、製作してみました。
なお、コイルは片巻で、中心にフェライトコアが入っています。

このコイルはBPFとして使用し、増幅部はMMICを使用しています。
また144MHz帯BPF以外に、430MHz帯のトラップフィルターも設けています。

lna8144-320-1.jpg

入力保護のリミッターダイオードとMMICはチップ部品を使い、その他はDIP部品で
構成しました。
これは、ある程度改造がしやすいように考えてです。
本当は、全てチップ部品でも製作できますが、部品入手と改造しやすさを考えています。

lna8144-320-4.jpg
MMICとリミッターダイオードは背面に設置

入出力はSMAJコネクターです。
基板はFR−4の1mmで、片面基板です。
青い積セラが並んでいて、綺麗です。
(いつも設計時には、性能も良くて綺麗に見える様に、部品配置を考えています)

電源電圧は6V〜16Vで約60mAの消費電流です。(内部は3.3V動作です)

測定結果
ゲイン:約21dB
NF:0.64
430MHz帯トラップは約−40dB(144MHz帯ピークゲインより−60dB以上)

lna8144-320-6.jpg

lna8144-320-5.jpg

設計の値と少しコンデンサーの定数を変更しましたが、殆ど調整しないで製作できます。

lna8144-320-2.jpg
左のピークが144MHZ帯、右の落ち込みが430MHz帯

lna8144-320-3.jpg

コイルのコアを回して、中心周波数を変更できるので、調整も楽で、ちょっとしたお遊びには使えそうです。

次回はNOAA用のプリアンプも製作したいと思っています。


posted by 7L1WQG at 19:32| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2014年07月24日

1200MHz帯・新型プリアンプの実験

新しいデバイスを使って、1200MHz帯のプリアンプ 製作してみました。

今まで製作したプリント基板型のプリアンプは再現性は良いのですが、NFはあまり良くあり
ません。
設計が悪いと言われればそうですが、調整が殆ど出来ないので、NFが1dB 以下であれば良しとしていました。

今回は、基板上に空中配線をして、プリアンプを製作してみました。
空中配線ではかなり試行錯誤しなければなりませんが、思ったより良い値がでました。
基板は従来の基板を使用していますが、定数は大幅に変えています。

NF測定については、NF計の表示値は信用できないことが多いので、今回は 慎重に測定してみました。
ノイズソースは新たに入手したAgilentの346Aが2本あるので両方で比較測定しました。
念のためにノイズソースとLNAの間に方向性結合器を挿入して、入力側の反射を吸収しています。

以前も記載しましたが、LNAプリアンプの入力側のSWRが悪化すると、NF計が良い値を表示することが有ります。

ネットアナ、スペアナを使って、発振等がないかも調べています。
(発振が有ると、NF計が良い値を表示してしまいます)

lna1200-3.jpg

何度か測定しましたが、表示は写真の様に良い値を示しています。
最良の時はNF:0.20の値が出ていました。

lna1200-1.jpg

TS790とSG(ATT内蔵)でCWモードで−140dBmの受信も問題なく出来ました。
SGのレベルを変化させても、スペアナ、TS790共にレベルがリニアに変化します。

NF計の値が本当に正しいかは解りませんが、今までのLNAよりは性能がかなり良さそうです。

lna1200-2.jpg
(左の黒いのは電波吸収材)

サンノイズ測定等で追試しなければ、本当の性能(能力)は解りませんが、当方では設備が無いので測定できていません。

使用デバイスはFHC40LG+GALI−S66です。

デバイスを含めて、空中配線ですので、再現性は良くないかもしれません。
ただし、色々と調整が出来るので、その点は良い所です。
posted by 7L1WQG at 15:53| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2014年05月14日

5600MHz帯プリアンプ

先日、新しいデバイスを入手したので、プリアンプ(LNA)を製作してみました。
デバイスは旧NECのNE3515S02というGaAs-FETです。

セブロン電子さんのLNA基板に実装して、スタブで簡単に調整して見たところ
GAINが37dBもとれました。(FET2段構成です)
1段あたり18dB以上のゲインです。

NFは追い込まなかったので、1.3dB程度でしたが、中々良さそうなデバイスです。

飽和出力は−20dBm入力時に15dBm出力でした。(5760MHz)

試しに2245MHzで−10dBm入力すると、4490MHzで
1〜3dBmが得られました。(無調整です)

このデバイスで色々と実験してみたいと思います。


lna5700-ne3515s02.jpg
完成したプリアンプ

posted by 7L1WQG at 17:06| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2014年02月10日

プリアンプと同軸リレー


先ほどの記事で同軸リレーについても記載しましたが、同軸リレーのアイソレーション
について書きます。

同軸リレーの性能ですが、主に最大通過電力の値に囚われがちです。

高周波同軸リレーに求められる性能は、アマチュア無線では

・最大通過電力
・アイソレーション
・動作電圧

この3点は見ておきましょう。

特にプリアンプに使用する場合は同軸リレーのアイソレーションは重要です。
同軸リレーのアイソレーションは使用する周波数で値が違ってきます。
この値は同軸リレーのデータシートに記載があるので、よく読んでください。

例えば1200MHzで30dBと記載があったら、通過ポートから他のポート
(NO、NCポート)間の電波の漏れは−30dBであるという意味です。

−30dBとは対数表記なので、整数に直すと1/1000で千分の1
漏れるという事です。
但しインピーダンスが50オームの時でSWRが1.5とか2.0などではかなり
悪化します。

例えば10W送信した場合、漏れは10W×1/1000となります。
つまり10mW漏れます。(SWR1.0の場合)

プリアンプ素子の最大入力は1mW程度なので、漏れが10mWは多すぎますし、
最悪の場合はプリアンプ素子が壊れてしまいます。
その為に漏れは(アイソレーション)は1mW未満になるような値でなければ
なりません。
つまり必要なアイソレーション値は40dB以上で、余裕を考えると50dBは
欲しいところです。

もしプリアンプを自作して故障が多い場合は同軸リレーのアイソレーションを見直し
てみると良いでしょう。

同軸リレーの通過電力が100W以上あっても、アイソレーションが30dBなどでは、プリアンプに使うことは、あまりお勧めできません。

お勧めできるのは、どの周波数でも、使用する周波数においてのアイソレーション値が

出力1Wまで   30dB以上
出力10Wまで  40dB以上
出力50Wまで  50dB以上
出力100Wまで 60dB以上

です。
(プリアンプにリミッター素子が有る場合は、別途計算すること)

同軸リレーの選定をする時にはアイソレーション値も見ることをお勧めします。


posted by 7L1WQG at 13:09| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2013年02月19日

プリアンプキット製作の注意点

1200MHz帯プリアンプ「LNA−BPF1200」シリーズの製作においての
注意点を記載します。

他のプリアンプも基本的には同じですので、よろしければ一読してください。

プリアンプと言っても、これは一般的な高周波増幅回路と同じです。
まずは、高周波回路の基本的な注意をして製作して頂ければ特に問題はありません。

いずれにしても、この基板は高周波回路が理解できる、中級者、上級者向けとなります。

すでに高周波回路を理解できている方は、読まなくても、ご存知のことも多いと思いますが、
初心者向けに、注意点を記載したいと思います。

まず、パーツ実装済み基板を例として記載したいと思います。

lna1200bpfCX-210-1.jpg

パーツ実装済み基板にはGaAsFETが付いていません。
推奨はFHX35LGですが、それ以外にMGF1302、FHX76LP、等々
LNAに使われるGaAsFETなら、大体は使用できます。
(GaAsFETによって多少調整が必要)

fhx35lg-160.jpg
FHX35LG

GaAsFETを慎重に取り付けてください。
静電気に弱いので、特に冬場は注意してください。
安易にGaAsFETに手で触れると、静電気で簡単に壊れてしまいます。
部屋の金属部分(窓枠など)に触れて、放電してから作業しましょう。
ピンセット、ハンダこてを使う場合も、静電気に注意してください。

作業する机に静電気防止マットを敷いて、リストバンドを使い作業すると最適です。

冬場などは、部屋に加湿器を使って湿度を上げるのも良いでしょう。
濡れたタオルを吊り下げても、多少の効果が有ります。

また、GaAsFETは熱にも弱いので30Wクラスのこてと低温ハンダをお勧めします。
ソースからハンダすると良いと思います。

JP位置は、パーツ実装済み基板には、MMICが付いていますので、今の位置でご使用ください。

GaAsFETを付けたら、基板は必ずシールドケースに入れてください。
専用ケースとSMAコネクターの使用をお勧めします。

専用ケースより基板がほんの少し大きいことがあります。
丁度のサイズになるように、ほんの少し基板の周囲を紙やすり等で削ってください。

基板は薄く弱いので、基板に無理な力が加わると、実装しているチップ部品にクラックが
入って、故障することがありますので、注意してください。
金属ケースにはネジで止めてください。
本当に、細心の注意をして作業してください。

専用ケースには貫通コンデンサーが有りますので、そこに電源線をつなげて下さい。

基板はマイクロストリップラインになっていますので、インピーダンスが乱れないようにしてください。

コネクターの中心ピンがチップコンに当たらない様に、長い場合は必要に応じてカットしてください。

smajr2-160.jpg
SMA−R2

安易に同軸を二股に撚って付けたりすると、大幅に性能が劣化しますので、もし同軸を直接使う場合は、テフロン同軸をハンダメッキするか、セミフレキ、セミリジッド(2mm程度の太さ)をお使いください。

調整はコイルとトリマー(BPF部)とVR(バイアス)を動かして、最良の位置を探してください。
場合によってはコイル幅の調整とオープンスタブ等も使ってください。
トリマーはセラミックドライバーを使うと、金属の影響を受けないので便利です。

セラミックトリマーですが、セラミックドライバーを使用して調整します。
メーカーによっては、マイナスの薄いのが無いので、セラミックドライバーの先を耐水ペーパーで削って使用します。
それ以外には、アクリル棒を薄く削って使う方法もあります。

セラミックトリマーを金属ドライバーで調整すると、金属の影響を受けて上手く調整できないので、非金属のドライバーを使用してください。


ネットワークアナライザー、またはスペアナで調整することをお勧めしますが、
無い場合は、無線機に接続して弱い電波で調整してください。(絶対に送信しないこと)
無線機を使う場合は、ノイズ・ジェネレーターを使うと、受信音で調整できます。

lna5700-2.jpg
(これはネットアナで5700MHz帯のプリアンプを調整した画面です。)

セラミックトリマー等は何度も回すと壊れますので、注意してください。

ネットアナ、スペアナで調整する場合は、ゲインのピークを少し低めの周波数(1280MHz付近)に調整すると、NFが良くなります。

バイアス電圧、トリマー、コイル、を順に繰り返し調整して、最良点を見つけてください。
ネットアナ、スペアナ等で調整するときの入力レベルは−50dBm以下にしてください。
ケースの蓋を閉めたときに、発振していないか再確認してください。

蓋を閉めたときに、プリアンプの特性が大きく変化する場合は、コイルの幅を調整したり
回路上にオープンスタブを置いて、再調整してください。
回路のマッチングが良くない場合に起こることがあります。
なるべくゲインが上がる方向に調整をすると、NFも良くなります。


直下プリアンプ、卓上プリアンプとして使用する場合

リレーは必ず同軸リレーを使用して、1200MHz帯でアイソレーションが40dB以上有る同軸リレーをお使いください。
(詳しくはリレーメーカーにお問い合わせください)
これは、スルー回路に10W通過したときに、漏れ電波が1mW以下にするためです。
10W=40dBm 1mW=0dBm (近似値)

オムロンのG6Y−1はでも性能的には大丈夫ですが、メーカーの指示通りの基板を使わないとアイソレーションは悪化しますので注意してください。

中古でよいので、SMAタイプの同軸リレーをお勧めします。
大抵、このタイプでしたらアイソレーションは40dB以上有ります。

HCS2-110F-210-1.jpg

同軸リレーは2個必要になります。また接続(内部配線)の為にSMAP付きの同軸ケーブルも必要です。


プリアンプは電源が入っていなくても、過入力があると壊れます。
1mW以上を入力すると、場合によっては一瞬で壊れることがあります。

必要に応じて、リレーの遅延回路とプリアンプの保護ダイオードを設置してください。
保護ダイオードはサージ対策にも有効です。(リミッターダイオード)

設置場所は、入出力の端子部分です。
センターピンとGND間にダイオードをアンチパラレルに挿入します。

保護ダイオードを挿入すると、GaAsFETの前に容量成分が多くなり、
パラメーターが変化します。その為にダイオードをつけた状態で再調整してください。

ダイオードは、端子間容量が少ない製品の高周波用ショットキーバリアダイオードをお勧めします。
推奨は1SS99、1SS97、1SS315、1SS295等です。
もちろん、高周波用リミッターダイオードを使えば最適です。

1ss295-210.jpg
1SS295高周波用ショットキーバリアダイオード

1ss99-160.jpg
1SS99高周波用ショットキーバリアダイオード


しかし、高周波用でないダイオードを使うと、プリアンプは動作しなくなります。
(ダイオードの端子間容量が大きいと、高周波回路的にはショート状態になります)


無線機のアクセサリー端子のSEND(PTT)を直接使っても、リレーの動作前に
送信電波がプリアンプに到達するので、注意が必要です。
(ケンウッドのTS2000にはPTTの遅延設定があります)
それ以外の機種では遅延回路を組まれることをお勧めします。
プリアンプ+遅延回路で検索してみてください。

遅延回路の動作
1.PTTを押す
2.同軸リレーがスルーに切り替わり、プリアンプがOFFになる
3.無線機が送信を始める。



プリアンプをケースに入れた後は、同軸の接続ですが、必ずN型コネクターを使用して
ください。
M型コネクターは1200MHz帯では損失が大きいので、プリアンプの性能が劣化
してしまいます。もちろん送信電力も減ってしまいます。
同軸ケーブルもFBタイプかSFAタイプで、コネクターはN型にしましょう。
同軸ケーブルが20m以上必要な場合は、10D以上の太さのケーブルをお勧めします。
10D−SFA、12D−SFA、等がお勧めです。
1200MHz帯では発泡系の太いケーブルを使いましょう。
(コネクターは高周波性能的にはSMA、TNCでも良いのですが、太いケーブルが使えないので、N型しか選択肢がありません。)




プリアンプ設置後の一般的な注意

プリアンプを設置して使う場合、他のアンテナであっても、動作中に送信しないでください。
周波数が違っても、強力な電力がプリアンプに入り込み、壊れることが有ります。

同様に、マルチバンドアンテナでの他バンドの送信、デュプレクサー等で他のアンテナと共用するのは止めましょう。
やはり、漏れ電波(電力)がプリアンプに入り込み、壊れることが有ります。
特にデュプレクサーのアイソレーションは設置状況で十分な値が取れないことが有ります。

プリアンプ動作中に安易にアンテナに触ると、人体の静電気でプリアンプが壊れることが有りますので、注意してください。

プリアンプ動作中には、空S(カラエス)は5近く振ります。これで正常です。
どんなにNFが良くても、必ず空Sは必ず振ります。

空S:電波を受信しなくても、無線機のSメーターが振れる事

これは、プリアンプのノイズでだけではなく、空中に有る雑音も増幅するためです。
(熱雑音、都市雑音、等々)
但し、目的の電波は、より良く聞こえます。
S/Nは大幅に向上し、弱い電波も良く聞こえるようになります。

以前も記載しましたが、

・プリアンプは極力アンテナの近くに設置する。
・アンテナからプリアンプまでの同軸はなるべく低損失の同軸を使う。
・アンテナは、なるべくゲインと指向性が良いものを使う。


これが、肝心です!

posted by 7L1WQG at 20:37| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2012年10月12日

よくある質問 アンテナとプリアンプと受信機


よくある質問で、「プリアンプを付けたら受信は良くなるのか?」について、お話します。

無線に詳しい方には簡単な事ですが、無線が趣味でない方には良く解らない話です。

電波が目に見えれば簡単なのでしょうが、これは無理なので別な現象に置き換えると
理解しやすいと思います。

よく私が説明するのが、電波を雨に置き換えて考えます

簡易的ではありますが、理解しやすいので初心者にはこの様に説明しています。


実際の受信とは

電波をアンテナで受信して、同軸ケーブルを通して受信機で音声または映像を再生する。
のですが、

これを

電波 → 雨
アンテナ → ジョウゴ(漏斗)
同軸ケーブル → ホース
受信機 → 水車


と置き換えて考えます。

雨(電波)をジョウゴ(アンテナ)で受けて、ホース(同軸ケーブル)を通して
水車(受信機)を回す(再生する)。

です。



suisha.gif



つまり、性能、機能はこの様に置き換えて考えます。

雨の強さは → 電波の強さ
ジョウゴの大きさは → アンテナの利得(大きさ)
ホースの太さは → 同軸ケーブルの太さ(損失)
水車の回転数は → 受信機の再生度
プリアンプは → ポンプ



まず、雨が降ってる場所でなければ水は集まりません。
建物の影、木の下では雨を多く受けることはできません。
同様に電波も建物の影ではどんなに頑張っても上手く電波を受けられません。
受けやすい場所が一番です。(見通しがよい場所)


どんなによい場所でも、ジョウゴが小さければ、雨は集められません
つまり、どんなによい場所でもアンテナの利得が低ければ電波は集まりません
逆に、大きなジョウゴが有れば、簡単に沢山の雨を集めることができます。


集めた雨はホースで水車に送るのですが、
ホースが細ければ、水車は良く回りません。
つまり、同軸ケーブルが細いと受信機に十分に電波が届きません。
いくら、ジョウゴが大きくて雨を集めてもホースが細ければ、水車は良く回りません。
つまり、いくらアンテナの利得が高くても、同軸ケーブルが細いと受信機に十分に電波が届きません。


ここで、プリアンプですが
ジョウゴで集めた水をポンプを使えば、細いホースでも強く送ることができます。
でも水車の直前では、ちょろちょろの水をポンプで送っても意味無いことが解りますよね。
逆にジョウゴの直下にポンプを設置すれば、強く水を送れますね。

プリアンプも同じで、アンテナ直下で無いとあまり意味がありません。

そして、ジョウゴが小さいと、いくらポンプが強くても、集まる雨が少ないので、
ジョウゴの大きさ以上の雨は集められません。
逆に、ジョウゴが大きければ雨もいっぱい集まり、ポンプも水を強く送ることが
できますね!

つまり、プリアンプの性能がいくら良くても、アンテナの性能以上の受信は得られない
のです。
プリアンプは魔法の装置では有りません、アンテナに入った電波を効率よく受信機に
届けることができる装置です。

いくら性能の良いポンプを使っても、ジョウゴに入っていない水を送ることはできません。
まして、魔法のように水が増えることも有りません。

受信機は水車の性能と置き換えてください。
「良い受信機は、弱い電波でも良好に受信できます。」

「良い水車は少ない水でも効率よく回る」のです。

逆に感度の悪い受信機は強い電波しか受信できません。

つまり
「性能の悪い水車は強い水圧でなければ回わらない」のです。

そこで、無線では、プリアンプで増幅し受信感度を上げるのです。

つまり
「ポンプで強く水を送り水車を回す」のです。

こんな感じで、理解できたでしょうか?
この様に受信の仕組みを身近な物に置き換えると解り易いので、理解しやすくなると思います。
posted by 7L1WQG at 13:22| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2012年05月24日

自作したスルー回路付き広帯域アンプの不具合の相談


先日、広帯域アンプ基板でプリアンプを製作したところ、上手く動作しないと相談がありました。

お話の内容からすると、高周波MMIC「GALI−39」を使用した2段アンプで、同軸リレーを入力、出力側に設置して、電源がOFFの時にはスルーにする回路でした。

lpa-g5w2-80.jpg

使用したい周波数は1.2GHz〜2.4GHz帯ということです。
同軸リレーにはオムロンの「G6Y−1」型の高周波同軸リレーを2個使用しているとの事でした。
コネクターにはSMA型を使用しているそうです

このお話を聞いて、動作しない原因がすぐに解りました。

一見すると、回路的には何ら問題が無いように思えます。


入力 -- 同軸リレー -- アンプ -- 同軸リレー -- 出力
           -- スルー --


しかし、部品選定が悪かったのです。皆さんはお解りでしょうか?

まず、GALI−39アンプのゲイン特性ですが

300MHz  18.6dB
430MHz  31.6dB
800MHz  36.3dB
1295MHz 36.7dB
2427MHz 34.4dB
5760MHz 27.4dB
8.00GHz 21.8dB
10.0GHz 10.6dB

G6Y−1のアイソレーション特性は

250MHz  80dB以上
900MHz  65dB以上
2.5GHz  30dB以上

です。
このアイソレーション値は理想的な状態のときで、実装方法で大きく変わります。
また、3GHz以上では使用することは難しいでしょう。

しかし、広帯域アンプは10GHz近くまで良好にアンプしてしまうので、
どんなに慎重に製作しても、3GHz以上でのアイソレーションが不足してしまい
アンプが発振してしまいます。(不安定状態)
スルー回路に使用した同軸ケーブルは1.5D−2Vでしたので、さらに良くなかった
のでしょう。

実際にスペアアナで測定してみると、不安定な発振状態でした。

この様な広帯域アンプ基板を使用するときは、

・3GHz以上でゲインが無いようにする。(G6Y−1を使用する場合)
 出力側にLPF等を挿入すると良いでしょう。

・スルー回路にはアイソレーションの良好なケーブルを使用する。
(RG316等のテフロン同軸)

・10GHz帯まで対応した同軸リレーを使用する。
(トランスコ、ナルダ、アジレントHP、ヒロセ等のコアキシャルリレー)

HCS2-110F-340-1.jpg
写真はヒロセの同軸リレー

この様な対策をしなければ、広帯域アンプの安定動作は望めません。
部品の選定は性能を考慮した上で、慎重に行ってください。

以上、参考にしていただければ幸いです。
posted by 7L1WQG at 12:40| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2011年04月25日

1200MHz ローノイズアンプの製作例


先日、LNA-BPF1200CX基板を組み上げたので、見てほしいと連絡があり
送っていただきました。

内容はゲートバイアス電圧が出ていないとの事でした。

よーく調べてみると、7660のハンダにクラックがあり、動作していないようでした。

少しハンダを盛って、修正したところ正常に動作をしました。

このユニットケースは、JR2TSLさんが製作したもので、すばらしく良く出来ていました。

JR2PSLさん製作のケース

アルミのくりぬきケースでサイズもぴったりでした。

この基板のGaAs−FETには「FHX05」が使われておりました。
このデバイスはもう入手は困難です。

調整をして、ネットワークアナライザーで測定してみました。
中心周波数は1295MHzです。

測定の結果は

1200MHzプリアンプ

かなり良好でした。

このプリアンプで1200MHzのDXを楽しんでいただければと思いました。
posted by 7L1WQG at 19:43| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2010年11月25日

5.6GHz帯ローノイズプリアンプの製作


もうだいぶ前に購入したセブロン電子の5.6GHz帯LNA基板がありましたので製作してみました。

基板はPPOで出来ているようで、専用のケースに入るサイズになっています。

回路図は無かったので、基板パターンを見ながら回路を想像して製作して見ました。

デバイスの選定ですが、5GHz帯では定評のあるFHX76LPを初段に、2段目はパワーのあるFHX35LGとしました。

2段目にFHX35LGを選んだのは、IP3を良くするのと、出力側からの耐電力を上げる為です。

FHX76LPはデリケートなHEMTなので、静電気には十分注意してください。

私は半田付けするときに、ソース、ドレイン、ゲートの順につけています。
そうすると壊れにくい感じがします。


早速、基板を組み立て(半田付け)してみました。

チップは抵抗、セラミックコンは2012サイズで、その他タンタルコンデンサーとICとHEMTです。

電源には29L03を使用して、バイアスには7660を使っています。

lna5700-1.jpg

電源電圧は3Vにしています。その電圧を7660で−3Vを作ってバイアスとしています。
ゲート電圧は10KΩのVRで調整できるようにしています。

調整をしながら、ネットワークアナライザーで特性を調べてみました。

lna5700-2.jpg

ゲインもリターンロスもなかなか良い値になりました。(入力:−50dBm)

その後、NFを測定してみました。

lna5700-3.jpg

こちらもまずまずの特性です。かろうじてNF1.0dB以下になりました。

最終的なスペックは下記の通りです。

デバイス:FHX76LP + FHX35LG
VD:3V
VG:-3V 
FREQ:5.76GHz
GAIN:31dB
NF:1dB
VSWR:1.5

最終的な回路図は下記のようになりました。

lna5700-4.gif

7L1WQG


posted by 7L1WQG at 19:25| Comment(0) | プリアンプ・LNA

2010年11月10日

最高性能! 1200MHzプリアンプ完成!

新型のプリアンプを製作し始めて、やっと完成しました。

1200MHz帯では最高性能と自負できるプリアンプです。

今回のプリアンプはゲインが35dB以上、NF:0.5dBと高性能で、更に入力のSWRも1.4以下と超高性能です。

消費電流も50mAと少なく、サイズも小型で組込みにも最適です。

lna-1200nx.jpg

販売されている(過去に販売された)プリアンプは、実際にNFを計測してみると、カタログ値とはかけ離れている製品が多数あります。

さらにインピーダンスマッチングは全く取れていなくて、SWRで言うと10以上もある製品も有ったりして、これではアンテナに接続した時は、マッチングが全く取れません。

これは多くのアマチュア無線家が高価な測定機を持っていないので、適当な値をカタログに記載している為です。

更にNFの測定方法がそもそも間違っている場合も有ります。

NF計(アジレント)に使用されるノイズソース(ENR15dB以上の製品)はインピーダンスマッチングが悪くなると、NFを良く表示する事が多々あります。

その為に間違った調整をしてしまう事があります。(いぜん私も同じ失敗をしました)

正確な測定方法で計測しなければ、何の価値も有りません。

またインピーダンスマッチングが極端に悪いプリアンプは、実際に設置すると使用条件で性能が全く発揮できません。

それにそのようなプリアンプは温度条件で大きくインピーダンスが変動しますので季節、気温で性能が大きく変動してしまいます。

最近では、測定を所持する方も多くなり、本当の性能が求められます。

今回の1200MHzプリアンプは、全ての性能を十分に満たしていますので、何方が使っても、同じ性能を発揮できるはずです。

実際にTS−790に接続してテストしましたが、CW、SSBモードでも、ノイズ感が全く無くて、本当にスイッチが入っているか心配するほどノイズが出ません。

そこでSGから非常に微弱な電波をホイップアンテナで発射してみると、これがとても良く聞こえます。

本当にプリアンプを外して受信すると全く聞こえません。そこでSGのパワーを上げていくと
その差は30dB以上有りました。

これは本物の実力です!!

シンセSGの出力は−70dBm 〜 −130dBmで測定しました。

今回のプリアンプはフィルターを入れていないので、比較的に広帯域です。
1GHz〜2GHzまで実用範囲に入ると思います。
(SWRとゲイン、NFは多少悪化しますが実用は問題ないレベル)


○ 特性

・ 周波数       1200MHz帯(1GHz〜2GHz使用可)
・ 電波形式      FM,SSB,CW,AM、オールモード対応
・ 電源電圧      DC8V〜15V
・ 消費電流      約50mA(12V)
・ 利得        35dB以上 
・ NF        0.5dB(入力インピーダンス整合型)
・ 入力SWR     1.4以下
・ インピーダンス   50Ω (SMAJコネクター)
・ 最大入力      30mW(破壊入力レベル) 
・ 1dBcomp     12dBm(TYP)
・ IP3       25dBm
・ 外形寸法      32mm×36mm×12mm(突起部を含まず)



posted by 7L1WQG at 21:15| Comment(1) | プリアンプ・LNA

2010年10月21日

最新型 1200MHzプリアンプの製作

今回は久しぶりに1200MHzのプリアンプを作ってみました。

結果は思った以上の高性能で、非常に使いやすいプリアンプになりました。


new-lna1200-3.jpg



出来上がったプリアンプのNFを測定しました。
写真のとおりですが、NF:0.59 GAIN:35.76dBでした。

new-lna1200-1.jpg



周波数特性とリターンロスをネットワークアナライザーで測定してみました。
中心周波数は1295MHzです。

new-lna1200-2.jpg

リターンロス(入力のSWR)は−27dB(SWR:1.2以下)の好成績でした。

周波数特性は広帯域でゲイン得られます。
今後必要であれば、帯域を絞ってみたいと思います。

現状は手持ちのケースに入れたので大きめですが、更に小型化が可能ですので、小型ケースに作り直してみたいと思います。


スペック
周波数:1200MHz帯
GAIN:35dB
NF:0.59
電源電圧:DC12V(7〜24V)
電流:100mA
コネクター:SMAJ


posted by 7L1WQG at 10:52| Comment(0) | プリアンプ・LNA