2022年05月30日

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き-6 最終


先日から改造していたマキ電機24GHzトランスバーターが出来上がりました。
作業には延べ25時間かかりました。

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タカチのケースに組み込んで、試験をして再調整
パワーは少し控えめに0.8Wとしました。
LNAも入っているので受信感度も非常によくなりました。
-130dBmでも24GHzCWモードで聞こえます。

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基準の10MHzは内部のOCXOと外部の切り替えが出来ます。

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2022年05月28日

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き

今日はパワーアンプを接続して、バラックで実験。
最大で30dBmは出ている。

スプリアスも-40dBc以上あるので、問題無さそう。
やっと先が見えてきた。

簡易測定の結果
LO:11370MHz -6dBm (ADF5355-PLL)
IF:1280MHz 27dBm (TS790G+3dB ATT)
RF-TX:30dBm (EMM5832VU)

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マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き-5


プリアンプとOCXOの調整

預かっていたプリアンプは開けてみると、BD6NTの物が入っていた。
ゲインは約20dBで殆ど調整は不要だった。

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同じくOCXO10MHzだが、どうも発振が不安定、配線も酷いので修正した。
3端子レギュレーターが不良のようである。
修正して、周波数のあわせ込みを行った。
小型のOCXOなので、0.1Hz以下は少し不安定だが、実用上は何ら問題無い。
これで預かったパーツユニット類は殆ど調整できた。

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修正前

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これ以降は組込みに入る。
元のトランスバーターのケースには到底入らないので、別ケースを設計して組み込む事とする。
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2022年05月27日

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き-3

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き-3

ワンボードのケミコンやレギュレーターを交換して、IF切り替えリレーを設置
ケミコンはOSコン、タンタル、セキセラに全て交換、適材適所です。

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LOはSGから「ぴるる」に交換して、再調整

基板の浮きがまだ有ったので、更にネジを追加

スタブ追加やバイアスの再調整でパワーが出すぎた(飽和した)ので、IFにATTを追加、それでもまだ多いので定数を変えて、更に再調整

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電源のフィルターやパスコン追加、保護ダイオードも追加。

RX側も調整して、TX、RXもかなり良くなった。
チョットパワーが多すぎる感じもあるが、パワー部を設置するので、その時に再調整する事にする。
今日はここまで!
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マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き-2

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き-2

基板に多数のねじ止めを追加して、簡易的であるがTX側の調整を行ってみた。
(M2ネジを多数追加した)

LOやIFの最適レベルを調べてみた。
もちろんLO、IFの同軸類は外して、コネクター等に交換。
この基板の場合、LOは-6dBmが最良で、IFは0.5Wが良かった。
約10dBmの出力を得られた。
IF:1280MHz
LO:11370MHz

波形を見ても問題無さそうである。
但しよく見ると、変調が少し乗っているので、電源部の発振が疑われる。

更に修理を進めてみる・・・
posted by 7L1WQG at 16:00| Comment(0) | トランスバーター

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き

マキ電機24GHzトランスバーターの修理改造の続き

ワンボードを取り出して見ました。
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色々と問題が有り、ちょっと大変そうです。
まず、基板の浮き上がり。
これはこの製品では良くあることで、ここは必ず修正しないと、うまく行かない。
動画では良く解らないかもしれないが、2mm以上浮いている場所が有る。

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IF切り替えが抵抗分配になっている。
機能的には問題無いのだが、RX側にIFアンプが無いので、
受信出力が少なくても4〜6dBは減少する。
24GHzでは厳しい値。
手持ちのリレーを入れて元の回路に戻す予定

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LOが1.5Dの同軸で配線されている。
LOは11GHz帯なので、1〜2dBは減少する。
ここも改善したい。

電源回りだが、空中配線でケミコンも怪しい。
ここは手直しする必要がある。

まずは一つ一つ作業を進める事とする。
posted by 7L1WQG at 11:00| Comment(0) | トランスバーター

2022年05月19日

10GHz帯トランスバーターの修理

以前から行っている、10GHz帯トランスバーターの修理
 
今回はパワー部の修理を行いました。
 
電源類がケミコンの液漏れで壊れており、多くの部品を交換して調整。
何とかパワーが出るようになった。
これで一安心
 
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入力は9dBm程度で23dBm(200mW)の出力が得られました。
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2022年04月13日

マキ電機製の24GHz帯トランスバーターの修理

改造して欲しいと昨年お預かりしたマキ電機製の24GHz帯トランスバーター。

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キット品なのか?改造されている。
何か色々とありそうなので、分解。

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LOにsolilockが付いている。

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取り敢えず外して、基本性能の確認をしてみた。
出力ケーブルに1.5D-2Vが使われている。
11GHz帯に1.5D-2Vは流石に?

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基本性能は出力-17dBm、PLLロックは問題無さそう
でも、スプリアスが盛大に出ている。
ここは何か対策をしなければならない。

今日はここまで、対策を考えてみる。
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2021年11月12日

2.4GHzのトランスバーターのLO

2.4GHzのトランスバーターを製作しているので、久しぶりにLOのC/Nを計測してみた。
周波数は1990MHz PLL方式4ch 特注VCO 出力7~10dBm
測定結果は
10KHzで-100dBcの値なので、かなり良好でした。

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2020年12月25日

トランスバーターの修理

今日もマキ電機のトランスバーターの修理
 
今回は10GHz帯のUTV-10G
比較的新しい機種、症状は送信できない。
 
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早速、中を見てみると送受切り替えの同軸リレーが動作していない。

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リレーはLOとパワー部の下にあるので、一度分解。
リレーを見てみると、ロジック駆動用の同軸リレーでした。

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RX側には電圧が来ているが、TX側には来ていない。
配線を外して単体で動作確認すると、問題無い様である。

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ワンボード基板のTX側を見てみると、78N08が動作していない。
更に同軸リレーの配線が8Vラインに繋がっていた。
ロジック動作のリレーなので、電圧は高くても5Vまで。
8Vでは動作不良になりかねない。
更にプルダウンされていない。
(RX側にはプルダウン抵抗が入っている)
 
取り敢えず、レギュレーターは手持ちの7808に交換。
コンデンサー類も交換。
 
IF側の同軸リレーのコイルにダイオードが入っていない。
もしかしたら、原因はこれかも知れない。
 
同軸リレーのロジック部にはLEDを直列に挿入してみる。
電流は殆ど流れないので、これで十分。

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試験動作を何度もしたが、問題は無さそう。
 
TX側、RX側のバイアスを再調整して、周波数調整、その他調整して、問題無く動作するようになった。
今回もリレーのコイルの問題かもしれない?
 
小さなリレーでも、コイルから発生するスパイクはかなり大きな電圧になる。ダイオード1個だけで防止できるのだが・・・・
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2020年09月04日

47GHzトランスバーターの修理完成


47GHzトランスバーターの修理完成です。
出力は数mWは出ていると思われます。
受信感度も周波数、波形も問題無しでした。
この方は、その他2台、合計3台修理したので、時間が掛かってしまいました。

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2020年09月03日

47GHzトランスバーターの修理


今日はLOの調整
ぴるる+バッファーアンプの構成
元々付いていた10GHz帯アンプを再調整しました。

改造前の回路を見ると、どう見ても9GHz付近に同調している感じである。
NE3210S01の2段構成だが、後段をNE3515S02に交換。
回路も大幅に修正した。

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(写真は改造後)

ぴるるからは、11GHzで約1dBmの出力
改造アンプで40mWも出ている。ちょっと多いか!

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これでkuhneの47GHzトランスバーターをドライブして再調整してみる。
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2020年09月02日

47GHzトランスバーターの修理(マキ電機製)


マキ電機製の47GHzトランスバーター

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47GHzトランスバーター内部の写真

調べてみると、ローカールが変?
水晶は58.68125MHzが入っているPLL方式
通常キャビティの逓倍数は160倍
だけど160倍だと周波数が合わない?

通常は
水晶-トランジスタ逓倍でX4
キャビティ内部のダイオードでX5
3段の逓倍回路で2X2X2=8
合計で4X5X8=160
必要な周波数は11.73625GHz
つまり200倍?

調べてみると200倍は全く見えず、160倍が強い
9389MHz??
ここは解らないので放置

トランスバーター本体はMKU47G Kuhne

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これも変?
送信状態でないと受信できない?
回路を追ってみたが、原因不明。

よくよく調べて分かったのが、まずLOレベル
LOが10dBm近く無いと受信できない。
(LOレベル3dBmでも送信は出来るのに)

これも調べると、送信時と受信時にはLO逓倍アンプの
電圧が変わっている事に気が付いた。

その調整VRがなぜか受信時に非常に小さくなっていた。
経年変化が有ったのか、再調整で動作するようになった。

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LOはSGから注入、IFは144MHzで実験

ここまで数時間を要した。
この後LOはぴるるに交換してみる。
明日までに何とかなるかな?
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2020年08月29日

UTV-10Gの修理改造(マキ電機製)


UTV-10Gの修理改造(マキ電機製)

このトランスバーターは以前修理した物。
今回はユーザーの依頼で、IF入力レベルを0.1Wにして欲しいとの事。
確かに1W入力だとスプリアスも多いし、移動運用時には0.1Wの方が使いやすい。

旧型の10GHzトランスバーターは1W入力仕様になっている。
(後期型は0.1Wでも動く仕様だが、逆に1Wでドライブしていると故障の原因ともなっている)

ワンボードの内部のキャリコンを改造、各部のレベルを調整。
LOは水晶なので、周波安定度は良くないが、ちょっと工夫。

スプリアスは多いが、全体的にはまあまあの性能です。

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水晶のカバー

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近傍のスプリアス

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スプリアス
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2020年04月10日

UTV-5600B2の修理


今回は旧型のUTV-5600トランスバーターを修理しました。
(前面のパワメーターが大きいタイプ)

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修理はかなり大変でした!!
症状は、電源を入れると、送信状態になったままになるので、修理してほしいとの事。
このトランスバーターはとても綺麗で、殆ど使ってない様子です。

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内部の写真(LO関係)

まずは電源ONでやはり送信状態。
内部を見てみると、電解コンデンサーの液漏れが発生している。そのせいで、電源部の多くが不良でした。

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かなり液漏れしている

ケミコンをいつものOSコンに交換して、7660や78L05も交換して、再度動作確認。
送信状態は直り、キャリコンも正常動作になった。

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ケミコン等交換後

ドレイン電圧とゲートバイアスも正常な値になった。
送信してみると、波形が変、スプリアスも多い

パワー部を見てみると、MGF0904の1段アンプ。
この部分のコンデンサーも液漏れしているので、交換する。
パワー部や、LO部、各段のGaAs-FETを再調整してみる。
受信は良好

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パワーアンプ部 見た目は綺麗

しかし、送信パワーは出ているが、送信波形に変調が乗っている。
更にキャリアの近くに、不安定な大きなスプリアスが有る。

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CWモードで送信しているのに、波形に変調が乗っている


LO部の電源にコンデンサーを追加
しかし、状況は改善しない。
LOの波形は綺麗だから問題ない感じである。

切り分けするために、パワー段から順に切り離していくが、症状の改善は無い。
ミキサーだけでも、スプリアスが出ている。??

しかしLOの波形は問題ないので、ミキサー部のダイオードを疑ったが、これも問題ない。
親機?と思ったが、やはり問題ない??

SGから1280MHzを入れても、スプリアスが有る?

仕方が無いので、パワーアンプのRFは切り離しているが、ユニットを外してみる。
そうすると、スプリアスが止まる。!!

パワー部の何処かが発振していると思い、単体で調べるが問題ない。??

結局原因は、パワーアンプの外についている、7810レギュレーター。

7810の出力は外して、調査していたが、7810に無負荷でも電源が入ると、レギュレーターが発振しており、その発振波形が電源を逆流してLOの電源に変調をかけていたことが原因だった。
(リレーの電源と7810が接続されていた為)
もちろん、コンデンサー類は全て交換してあったが、関係なく発振していた。
こんな事は初めてだ!!

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部品交換後のパワーアンプ部

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ケースの外についているのが、7810レギュレーター (交換済み)

ここまでで3時間近く費やした。
7810を交換して、再度すべてを組み立てて、また調整。

今度は波形も綺麗だ、スプリアスも殆ど出ていない。
パワーも、受信感度も問題ない。
やはり初期型のUTV-5600は性能が良い。
これで、やっと修理終了。

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修理後のスプリアス測定 殆どスプリアスは無い

いやはや、時間が掛かった。困り
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2020年02月06日

マキ電機製のトランスバーターの修理についての雑感


今まで50台以上のトランスバーターの修理を行ってきましたが、その多くの原因と修理について記載します。
(今年は、今日まで12台修理中)
修理可能なのは、5.6GHz〜47GHzまで。

故障の原因 (多い順)

1.ケミコンの液漏れによる電源不良
 電源が壊れると最悪全てのFETが壊れることもある。

2.電源ICの放熱不良等による、電源不良
 電源が壊れると最悪全てのFETが壊れることもある。

3.FETの過電圧(元々の仕様)によるFETの破損
 FETに過電圧をかけて、無理にパワーを出しているので、
 経年変化で壊れる。連鎖的にFETが全て破損

4.同軸リレーのコイルに保護ダイオードが無い
 同軸リレーにダイオードが付いていないし、回路上に保護
 がない為に、駆動トラジスタが破損しショート、
 その為に電源部も一緒に破損、連鎖してFETも破損

5.トリマー類の経年変化による不良
 チップトリマーの接触不良、バイアス不良でFET破損
 FETの過電圧が有るのでバイアス不良で壊れる
 保護回路等は無い。

6.内部発振による、キャリコンの誤動作
 FETの調整不良や経年変化によるもの

7.LOの破損
 経年変化によるもの、修理は不可能
 LOはキャビティ構造で、内部基板がケースにハンダ付け
 されているので、外すことが出来ない。
 外すにはキャビティ全体のハンダを溶かす必要が有るし
 基板が無いので(MMIC基板)交換できない。

8.同軸リレーの劣化
 G4Y152P等のリレーの接触不良、入手困難

全体的にFETの破損による故障がが多いが、MGF1302に過電圧でパワーを出している製品は、MGF1302の入手が非常に困難なために、修理が出来ない。
LO部にも多くのMGF1302が使用されているので、これも修理は困難

水晶の経年変化によるFズレは修理できない。

スプリアスの原因がLOにある場合は、修理調整は出来ない
(元々の仕様なので)

PLL仕様の製品はスプラッターやノイズが多い
(元々の仕様なので)

1.2GHz帯、2.4GHz帯のトランスバーターの修理は不可能
(高周波回路の全てがキャビティ構造なので)

その他
パワーアンプや、プリアンプの故障も
電源の故障によるFETの破損や、逆にFETの破損で電源部の破損が発生している。
ケミコンの劣化による破損も多い

マキ電機製のトランスバーターは、同じ製品でも、製作時期によって回路構成や、部品が全く違うので、他の方の修理例が参考になるとは限らない。
注意が必要です。

もし、自分で修理される方は、
ケミコンは全て交換、トリマー類も検査して交換すると良い
2SA1020は壊れることが多い。
同軸リレーの保護ダイオード(コイル側)は追加すること
78N05の空中配線は出来れば、78M05Fに交換すると良い。

宜しければ、参考にしてください。

修理について
https://www.cosmowave.net/?mode=f9

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2019年06月25日

10.24GHz帯ローカル発信機



10GHz帯のローカル発信機を製作しています。
発信機自体はぴるるを採用しています。

ぴるるは出力が低いので、バッファーアンプにスプリアス対策用にBPFを搭載したアンプを製作しています。
アンプはMMIC-GVA85を使用しています。

また、レピーターに対応するために、送信時に70MHzシフトするように組んでいます。

発振周波数は1/2LOになっております。
IF:1270MHz用 LO:8970MHz シフト70MHz

写真は1/2LO周波数での測定です。
スプリアスは殆ど無く、周波数も60Hz程度のズレでした。
(外部同期10MHzに対応しています)

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2018年07月13日

マキ電機製の5.6GHzトランスバーターの修理

依頼があったマキ電機製の5.6GHzトランスバーターの修理を行いました。
電源を入れてしばらくすると、受信が不調になる現象です。

原因は電源レギュレーターの不良とケミコンの容量抜けとFETの調整不良でした。
ケミコン類は全てOSコン、タンタル、大容量積セラに交換しました。(適材適所で交換してます)

その後、LO,RX,TXの各部のFETを全て再調整して、送信パワー、受信感度が大幅に向上しました。

周波数を再調整して、修理終了となりました。

かなり古い型のトランスバーター(UTV-5600B 1994年製)ですが、実は古い方が基板設計は良く出来ています。

トランスバーターに限りませんが、古い機種はケミコンの容量抜けや液漏れが発生して、壊れることが多くなります。

電源部の故障で、FETがすべて壊れる等の現象も良くあり、修理不能に成ることも有りますので、気になる方はケミコンだけでも交換することをお勧めします。
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2018年05月01日

10GHz帯トランスバーターの修理

10GHzトランスバーターの修理

今回はセブロン電子製のトランスバーターの修理を行いました。

ユーザーの説明では
「受信感度がとても悪くなったので、RX側の初段のデバイスを交換した所、パターンを剥離してしまい、受信感度が悪くなった」という事です。

初段のデバイス「FHX76LP」を見てみると、確かにGNDパターン(スルーホール)が剥離しています。
更にデバイスがハンダの上に浮いてました。

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RX初段のFETの状態 FHX76LP

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GNDパターンが無い デバイス全体が浮いている。
これでは正常に動作しない。

これは厄介な修理です。

一度、トランスバーターを分解して、基板を取り出します。
デバイスを外して、クリーニングすると剥離箇所が良く解ります。

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基板を外し、デバイスを除去しクリーニング 
見事にスルーホールとGNDパターンが剥離

基板の裏から銅線を長めにハンダ付けします。
(軟銅線が良いのですが、今回はスズメッキ線を使いました。)

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その後、基板表の銅線を1.5mm〜2mm位残して切断します。
裏面はギリギリで切断します。

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基板の裏に金属を当てて、ハンマーで銅線を潰します。
裏面のハンダの盛り上がりは細かいヤスリで平らにします。

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表の銅線は盛り上がりが有れば、これもヤスリで仕上げます。

銅線の上に予備ハンダをして、FETをハンダ付けします。

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FETがショートしていないか確認して、通電して調整して完成です。
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2018年04月27日

24GHz帯トランスバーターの修理依頼

24GHzトランスバーターの修理依頼
マキ電機製の24GHz帯トランスバーターの修理依頼があり、調査してみました。

ユーザー曰く、症状はキャリコンが壊れているという事でした。

しかし、電源を入れてみると、殆どのデバイスに電流が流れていませんでした。

前回の10GHzトランスバーターより深刻です。

原因は想像ですが、
まず、FETが破損して、その影響で電源(レギュレーター)
のショートで過熱して破損、更にコンデンサー関係が液漏れで、パターンショート。
その影響かトランジスタ関係も破損しているようです。

修理はかなり大掛かりになり、極端な話ですが、基板以外の部品は殆ど交換しなければなりません。
(殆どのデバイスが影響を受けているので、交換したほうが確実)

抵抗値の不適切、VRのガタツキ、コンデンサーの不良、等々もありました。

最初から製作したほうが簡単なくらいの故障です。
こうなると、修理ではなくレストア

ここから先に、進めるか相談中です。

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マキ電機製24GHz帯トランスバーター・ワンボード基板

201804-tr24g-2.jpg
電源周り、コンデンサーの液漏れ、この写真のデバイスは全て壊れている。

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TXの初段、NE3210S01の頭が飛んでいる。

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78N05レギュレータ コンデンサーの液漏れによりパターンが腐食している。

201804-tr24g-5.jpg
キャリコンの検波ダイオード
設置方向が変?パターンが剥離している。

最終的には、持ち主の判断で、今回は修理は中止になりました。
posted by 7L1WQG at 00:00| Comment(2) | トランスバーター